2018年4月16日
保険を選ぶ際に目安として提示される指標の一つに「予定利率」があります。
しかし、備えとして加入する保険に対して「利率」「利回り」などと言われてもどういう意味なのかピンと来ないという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、知っておきたい保険の「予定利率」についてご説明します。
保険の「予定利率」とは
保険には、解約するときや満期になったときにお金がほとんど戻ってこない「掛け捨て」タイプと、それまでに支払ってきたお金が戻ってくる「積立」タイプがあります。
積立タイプの保険は貯蓄型保険とも言われ、代表的なものとして以下のような保険が挙げられます。
・学資保険
・終身保険
・養老保険
・個人年金保険
これらの保険の“貯蓄部分”に対して、保険会社が契約者にあらかじめ約束する利回りが「予定利率」です。
契約者が保険会社に支払った保険料は、経費を差し引いた後、将来の保険金などの支払にあてるための「責任準備金」として積み立てられます。
この運用にあたって国が保険会社に義務付けているのが「標準利率」です。
各保険会社は国の定める標準利率をもとに、独自に予定利率を定めています。
このため、予定利率は保険会社や保険商品の種類などによって異なるというわけです。
予定利率が高いほど契約者とって「お得な保険」
貯蓄型の保険では、積み立てた保険料が将来どのぐらい増えて戻ってくるかを「返戻率(戻り率)」と呼びます。
例えば、返戻率105%の保険であれば、支払った保険料が5%増えて戻ってくるという具合です。
予定利率が高いということは、当然返戻率も高くなります。
また、予定利率は責任準備金の運用利益率であるため、予定利率が高くなるほど保険料の割引率も高くなります。
つまり、予定利率が高い保険ほど保険料は低くなるのです。
予定利率は下がり続けている
低金利が続く近年、保険の予定利率も年々下落傾向にあります。
先述の通り、予定金利は国の定める標準利率にもとづいて決められています。その標準利率の推移は以下の通りです。
1999年3月末 | 2.75% |
2001年3月末 | 2.00% |
2013年3月末 | 1.50% |
2017年3月末 | 1.00% |
2017年4月~ | 0.25% |
2016年にマイナス金利が導入された影響もあって、現在の標準利率は史上最低水準となっていることがわかります。
このため、予定利率を大きく引き下げた保険会社や保険商品も多く、保険料も全体的に値上げが行われている状況です。
現在は、貯蓄性の高い保険に加入すべき時期とは言いがたいでしょう。
貯蓄と保険は分けて考え、必要な保障については掛け捨ての保険でカバーするのが良さそうです。
一方、予定利率が高い時期に加入した保険については、できるだけ継続すると良いでしょう。
特に標準利率が2.75%だった1999年3月末までに契約した保険については、切り替えなどを行わず、継続なさることをおすすめします。