2017年7月4日
何かと高額の費用がかかる出産。特に帝王切開は、自然分娩よりも費用がかかるものです。費用を抑える手段がないか考えている方も多いと思います。
帝王切開による出産にも保険が適用されると言うのをご存知でしょうか。ここでは、帝王切開の現状やかかる費用などについて紹介していきます。
増加する帝王切開
帝王切開とは、妊婦のおなかから胎児を直接取り出す方法です。メスでおなかを切り開く手術をおこなうため、10日間ほどの入院が必要です。
厚生労働省が発表した「医療施設(静態動態)調査、病院報告の概況(2014年度)」によると、全体の分娩数のうちで帝王切開の占める比率が1990年から2014年までの間に、約2倍に増えています。高齢出産の増加や、難産につながりやすい「細長型」の骨盤の女性が増えていることが原因とされています。
帝王切開が必要になるケースは以下のとおりです。
・双子や三つ子などの多胎妊娠
・前回の出産が帝王切開だったとき
・母体合併症、母体感染症
・逆子
・巨大児
・出産に長時間かかる場合
・子宮が破裂しそうなとき
・未熟児
など
帝王切開にかかる費用
自然分娩の場合は出産後4~5日の入院で済むケースがほとんどです。しかし帝王切開だと入院日数が6~14日と比較的長くなるので、その分出産費用が高くなります。
具体的な入院費用は医療機関によって異なりますが、だいたい40~100万円です。
それに帝王切開にかかる手術代が加えられます。帝王切開にかかる手術費用は地域や医療機関にかかわらず22万2000円です(早産などの場合は24万2000円)。
また、出産後は生まれてきた赤ちゃんの入院費用がかかります。赤ちゃんの入院費用は1日約1万円が目安です。
つまり、帝王切開で出産した場合にかかる費用の総額は、少なく見積もって68万2000円、多く見積もると138万2000円。かなり高額と言えます。
帝王切開には健康保険が適用される
かなり高額の帝王切開による出産ですが、実は帝王切開の手術には健康保険が適用されます。そのため妊婦さんが自己負担しなければならない額は22万2000円の3割です。結果的には自然分娩と同額程度の出産費用で済みます。
また、帝王切開には健康保険以外にも受け取ることのできるお金がいくつかあります。
また他にも国の制度によって帝王切開を行う際の負担額がいくらか補助されます。それは以下の通りです。
・出産一時金
帝王切開に限らず、出産することでもらえるお金です。42万円が目安になります。
・高額療養制度による医療費の払い戻し
高額療養費制度により、医療費の払い戻しを受け取れます。事前に限度額確認申請書を取り寄せることで、収入により異なりますが、請求額を上限額で済ませることが可能になります。
・妊婦検診のための補助金
自然分娩と同様に妊婦検診のための補助金を受け取ることができます。妊婦検診の14回分に対する補助金で、金額は各自治体で異なります。お住いの市区町村役場に問い合わせてみましょう。
もっと負担を減らしたいという方には医療保険の加入がおすすめ
以上で、帝王切開にかかる費用を補助してくれる内容について紹介しました。それ以外にも「医療保険への加入」という方法が有効的です。
妊娠前に医療保険に加入しておくことで、自然分娩では受け取れない入院費用や手術に関する給付金を受け取ることができます。
場合によっては、帝王切開のほうが自然分娩よりも安く済むということもあります。子どもが欲しいと思ったときに民間の医療保険に加入しておくと安心できると言えるでしょう。
母子ともに健康な出産をするために必要な帝王切開。費用面を心配して思いとどまる必要はありません。事前にしっかり準備をしておきましょう。