2018年3月12日
一般的な病気の治療については健康保険が適用になりますが、病気によっては最新の治療法を用いることがあり、その場合、治療費が公的健康保険適用外になることがあります。そうなると治療費を全額支払う必要があり、かなりの費用負担になってしまうでしょう。
そのようなケースに備えて加入するのが「先進医療特約」。ここでは健康保険適用の範囲を超えた先進医療に対して適用となる先進医療特約についてご紹介します。
先進医療特約って?
先進医療特約とは、先進医療と呼ばれる最先端医療技術を用いた治療を受けた際に発生する高額の医療費を負担してくれる医療保険のことです。
最先端技術を用いた治療については公的な健康保険でカバーできないことが多く、またそのような治療にかかる費用は高額であるため、万が一病気になってしまったときに医療費が支払えないという事態が発生しやすくなります。そんなときに備えて加入する医療特約です。
先進医療とはどのようなもの?
先進医療というのは、健康保険の診療で認められているレベルを超えた最新医療技術のうち、厚生労働省がそれと定めた医療技術のことをいいます。平成26年3月1日時点で69種類が承認されており、主に、特定の大学病院で研究、開発、実施されているものになります。
例としては、以下のようなものが挙げられます。
・陽子線治療
陽子という水素に近い元素の原子核を加速させた陽子線を放射線治療のことです。主にがん治療に用いられます。
治療費に関しては、1件当たり約268万円です。
・重粒子線治療
重粒子線治療は、炭素イオンを加速器で光速の7割ほどの速度にまで加速し、がん病巣に照射する放射線治療です。
1件当たりの治療費は約308万円です。
上記の先進医療は公的な健康保険の適用外で、治療を受けた場合は全額自己負担となります。
先進医療特約に加入しておくことで、医療費を負担してもらうことが可能になり、自己負担額を軽減することが可能になるのです。
先進医療特約は必要?
まさかのときに備えて加入する先進医療特約ですが、最先端技術を用いた治療を受ける人の数はそれほど多くないのが現状で、この特約が必要か不必要かは一概にいうことができません。
ただ、先進医療を受ける可能性自体が少ない分、一般的に先進医療特約にかかる月々の保険料は60~100円と安いという特徴があります。仮に月額保険料が100円だとして、30歳から80歳まで加入していたとしても、合計で6万円ほどです。治療費数百万円を自己負担すると考えたら、加入しておいて損はないかもしれませんね。
先進医療について誤解されやすいポイントなのですが、先進医療技術を用いた治療を受けても、診察料や入院料、投薬料に関しては公的な健康保険の適用内です。あくまで治療費が高額であるということを覚えておきましょう。
先進医療は将来的に受ける可能性が比較的低いものです。先進医療特約については加入するかどうか検討してから決定するようにしましょう。